初級CST養成プログラム

対象者・受講条件

本プログラムの対象者ならびに受講に際して必要な条件は以下の通りである。

  • 福井大学教育地域科学部に所属しており,20 ヶ月以上の受講期間を確保できること。
  • 初級CST 養成プログラム受講に関して,助言教員の同意が得られること。
  • CST に関して理解していること。
  • 教員採用試験に合格した後,小学校あるいは中学校においてCST としての自覚を持って活動する強い意思を持っていること。
  • CST 取得後は,継続的な研鑽を積み,更に上級のCST 取得に向け鋭意努力する意思のあること。
  • 初級CST 養成プログラム受講に伴い,福井大学教育地域科学部生としての勉学に支障をきたすことがないこと。
  • インターネットを通じて,Web 閲覧およびメール(添付ファイル含む)を送受信できること。

プログラムの内容とポイント規定

 初級CST養成プログラムは,「基礎知識」・「知識」・「技能」・「指導力」・「総合力」の5区分,14科目から成り,科目概要と修了認定基準およびポイント認定基準は表に示す通りである。認定基準は認定にあたっての最低基準であり,学部生としての勉学に支障をきたさない限り,積極的な受講による自己研鑽を推奨する。

初級CST養成プログラムの修了基準ポイントおよびポイント認定基準

区分 科目名
コード/略記
単位ポイント認定基準 単位
P
修了基準
ポイント
基礎知識

基礎理科演習(物・化・生・地・小)

11 12 13 14/基礎A1
15 16 17 18/基礎A2

各科目共通 基礎知識試験において中高は70%,小学校は75%以上正答すること。

※就職を希望する校種に対応する「基礎知識試験(中高)」または「基礎知識試験(小学校)」を選択することができる。なお、物理はチュートリアル活動とする。
1

(各1)

4

小計 4
知識

先端科学技術セミナー

21/先端セ

連携機関・協力機関が実施する先端科学技術等に関する講座を受講し,Fukui CST Members で報告書を公開すること。 1 各1P
以上,
合計4P

学校教育セミナー

22/教育セ

福井県教育総合研究所等が実施する学校教育に関する講座(Webを含む)を受講し,Fukui CST Members で報告書を公開すること。通信型の場合,合計70 分以上のプログラム視聴と報告で 1P とすることができる。その場合,事務局まで希望を申し出ること。 1
小計 4
技能

理科内容学実習

31/実験実習

CST 企画運営委員会が指定した福井大学の実験・観察科目(基礎を除く理科実験科目、または小免のみの場合、理科実験観察法)2単位を取得し,CST企画運営事務局で成績表等の提示により確認を受けること。 2 2

技能研修講座A

32/技能(県)

福井県教育総合研究所等が実施する理科実験・観察等を主とする講座(Webを含む)を受講し,Fukui CST Members で報告書を公開すること。 1 1

技能研修講座B

33/技能(館)

科学館等が実施する実験・観察等を主とする講座を受講し,Fukui CST Membersで報告書を公開すること。 1 1
小計 4
指導力

指導研修A

41/SA

CST企画運営委員会が指定した福井大学の実験・実習科目において10時限以上SAを実施し,実施記録をFukui CST Membersより提出すること。(要事前申請) 2 2

指導研修B

42/訪問研

福井県教育総合研究所が実施するサイエンスカー巡回指導又は企画講座等に参加し,Fukui CST Members で報告書を公開すること。

(事前指導を伴う場合がある)
1 1

指導研修C

44/メンター

小中学生の課題研究(Jrドクター育成塾等)のメンターまたは、大学が主催する理科教育・研究系企画のメンターを担当する。 1 2

理科授業研究A

43/授業参加

CST,養成プログラム受講者または拠点校等が実施する理科公開授業へ参加し,Fukui CST Members で報告書を公開すること。 1 2

理科授業研究B

45/授業研

CST,養成プログラム受講者または拠点校等が実施する理科公開授業および授業研究会へ参加し,Fukui CST Membersで報告書を公開すること。 2 2

科学コミュニケーション

48/コミュ

科学イベントにおける講師を担当し,Fukui CST Membersで報告書を公開すること。 1 1
小計 10
総合力

学校インターンシップ

51/総合A1

協力校におけるインターンシップ(4時間×10回)を実施し,日誌・報告書等を CST 企画運営事務局に提出すること。(事前事後研修及び大学での教材研究を含む) 10 10

(指導案提出)

52/総合A2

実習校におけるインターンシップにかかわる指導案をFukui CST Membersに提出し公開すること。 3 3

博物館等インターンシップ

54/総合B

博物館・科学館インターンシップ(4時間 × 5 回)を実施し,日誌・報告書等をFukui CST Membersより提出すること。 5 5
小計 18
合計 40

科目別受講・申請手続き

 初級CST養成プログラム科目の講座・研修等受講及び各種申請手続きは,基本的に福井CST関係者用のwebサイトであるFUKUI CST Members(以下,CST Membersと表記)を通して行うものとする。CST Membersは,ユーザーIDおよびパスワードの入力によるログインを必要とする。これらのログイン情報は厳重に管理し,他人に貸与してはならない。なお,忘失した場合は,速やかに本人が直接CST企画運営事務局に問い合わせること。

受講計画の立案

 初級CST養成プログラムの受講期間は原則2年間であり,修了に向けては計画的な受講を必要とする。特に,2年目においては卒業研究や各種採用試験,大学院入学試験等を控えていることから,初年度でのポイント取得を十分に念頭に置く必要がある。
 そこで,受講開始の立案時には,CST研究員または大学教員の確認を受けるものとする。また半期ごとにCST Membersで計画を見直すことが強く望まれる。科目によっては,実施時期が及び回数が限定されているものもあるため特に留意したい。また,基礎知識については各区分の基礎を成すものとの考えから,遅くとも受講2年目前半までにポイントを取得する計画立案が望まれる

学校インターンシップの実施

 学校インターンシップは,福井CST 長期インターンシップ実施要項に基づき実施する。また実施にあたってその他必要な事項は以下の通りとし,掲載が無い事項について不明な点がある場合は,CST企画運営事務局または実施担当者に問い合わせを行うこと。

研修の時間帯・内容・期間について

  1. 1週間に1日(4時間相当)を基本とする。時間帯については授業の空き時間を活用するため,午前,昼食時の前後,午後が考えられる。
  2. 実習は理科授業(観察・実験)の準備,授業の支援,後始末を原則とする。また,可能であれば朝の会,給食時,帰りの会(実習時間帯により異なる)の担任補佐を積極的に行う。
  3. 研修期間は半年間で10週とし,通算40時間以上とする。
  4. 指導案を1編作成し,提出する。その際,CST研究員または大学教員の指導を受けること。

中間・終了カンファレンスの開催について

中間カンファレンス

学校インターンシップ開始後,2~3回目の研修を終了した段階(11月初旬頃)で,以下の事項について情報交換を行う目的で実施する。

  • 各実習校にてどのような実習を行っているかの紹介
  • 各自のインターンシップ目標達成に向けた取り組みを紹介
  • 困っていることや問題点などの共有と解決に向けた取り組み

終了カンファレンス

学校インターンシップ終了後(2月下旬頃),以下の事項について,受講者,大学教員,CST研究員で協議を行う。

  • 評価報告書,体験日誌,実施報告書をもとに成果を報告し合う
  • 各自のインターンシップ目標達成に向けた取り組みの成果を報告し合う
  • 報告をうけて今後CSTとして必要となる各自の課題を設定する

博物館・科学館インターンシップの実施

 博物館・科学館インターンシップも,福井CST 長期インターンシップ実施要項に基づき実施する。その他必要な事項は以下の通りとする。不明な点はCST企画運営事務局または実施担当者に問い合わせを行うこと。

研修の時間帯・内容・期間について

  1. 1回(4時間相当)を基本とする。時間帯については,大学講義の空き時間を活用するため,午前,昼食時の前後,午後が考えられる。また,土・日曜日,祝祭日に実施する場合は,1日で2回分とすることも考えられる。
  2. 実習にあたっては,事前にCST研究員または大学教員の指導を受けること。

インターンシップ実習機関の受入れ体制(先方へのお願い事項)

  1. 館長または指導担当者は,着任時に科学館等の特色を説明し,実習生としての心構え(指導担当者の補助等が確実にできるように)などを確認する。
  2. 全職員(可能な範囲で)への紹介。
  3. 記録文書(誓約書,長期インターンシップ計画書,長期インターンシップ体験日誌,長期インターンシップ実施報告書)の確認。
  4. 常時の活動場所,待機場所の指示(暖房器具の使用などについても含む)。
  5. 指導担当者との連絡方法の確認(電話,連絡用黒板,連絡用ノート,メール等)。長期インターンシップ評価報告書の作成(様式第6号-4)。

CST 公開セミナー(兼合同研修会)・研究チームへの参加について

CST 公開セミナー(兼合同研修会)

 CST 公開セミナー(兼合同研修会)は,毎年度 6 月,10 月,2 月に開催し,CST 認定者,各級CST 養成プログラム受講者,実施機関・連携機関担当者が情報交換を行う場とする。以下に内容の一例を示す。

  • CST 認定者による活動報告と全体へのレクチャー
  • CST 課題研究チームによる成果報告と全体へのレクチャー
  • CST 受講者による受講報告および全体協議
  • ワンポイントレクチャー(小・中・高における単元のつながりと先端科学技術を意識した指導ポイントのレクチャー)

 CST 公開セミナー(兼 合同研修会)にはできる限り出席すること。また,初級 CST 養成プログラム受講者においては,CST としての自覚を高める絶好の機会として,先輩教員との交流を積極的に進め,これまでの活動を踏まえ疑問な点等の解消を図ってほしい。
 なお,今後できるだけ早期に,CST 養成プログラムに参加していない学生・院生・現職教員にも参加を呼びかけ,できる限り理科に興味関心の高い教員およびその学生・院生等の交流及び研鑽の場として提供していく。

CST 課題研究チーム

 CST 認定者および各級 CST 養成プログラム受講者,実施機関・連携機関担当者において,テーマに沿った課題を設定し協働してその解決を図るため,課題研究チームを設置する場合がある。
 課題研究チームは,チームマネージャーを中心に研究会を企画・開催し,その中でそれぞれが持 ち寄った教材,指導案,CST 間の連携手法などについて情報交換を行い,それぞれの資質向上に寄与する。また,CST 公開セミナー(兼合同研修会)等でも成果報告およびレクチャーなどを開催し,まずは福井 CST 全体への普及を目指し,CST を通したオール福井への普及を目指す。
 初級 CST 養成プログラム受講者は,CST 公開セミナー(兼 合同研修会)などを通してそれぞれの課題研究チームの活動を理解し,所属チームの決定を経て活動を行うものとする。
 課題研究チームは比較的少人数で構成されることから,CST 及び上・中級 CST 受講者とのコミュニケーションがとりやすい場でもある。チームの中では積極的な提案と意見吸収を行って,CST としての活動していくために必要な資質を養う場としてほしい。

修了認定

修了認定の申請手順

CST Membersにおいて必要ポイントの取得を確認できた場合,以下の手順で修了認定を申請すること。

  1. 修了予定年度の 2 月 20 日までに,CST 企画運営事務局まで「初級 CST 養成プログラム修了認定申請書」( 様式第 3 号- 1) を提出する。内容として以下を含むものとする。
    • CST に求められる力量とは
    • CST 養成プログラムで修得したこと
    • 教員採用試験合格後,初級 CST として自身のおこなっていきたい活動内容
  2. 上記「初級 CST 養成プログラム修了認定申請書」に基づき,福井 CST 認定委員会にて認定の可否を決定し,結果を通知する。
  3. 認定が認められた場合は,初級 CST 養成プログラム修了の認定証を授与する。

受講中における履歴書等の記載について

 履歴書等の資格欄に「初級 CST(福井)認定見込」と記載する場合は,30 ポイント以上の取得を目安とする。

養成プログラム修了認定後の扱い

 初級 CST 養成プログラム修了後,教諭として採用された時点で,初級 CST(福井)と認定する。初級 CST 認定後の活動等は,「5. CST の活動と支援体制」を参照のこと。
 採用後概ね一年を経過した時点で,再度 CST 本人及び所属機関長に対する事後評価アンケートを実施する。